手外科とは
手外科とは、上肢のうち、特に肘から先の手首や手・手指の外傷や障害を診断・治療する診療科です。
仕事、家事、運動、勉強、その他あらゆる作業において、手は大変繊細な動きをしています。また、休ませる・ケアすることを忘れがちな部位でもあります。痛みや動かしづらさを感じながらも、我慢しているという方は少なくありません。
ひとたび手の痛み、動かしづらさが生じると、さまざまな場面で不自由を感じ、QOLの低下にもつながります。
手外科では、腱鞘炎、手根管症候群をはじめとする疾患の正確な診断・適切な治療により、患者様の健康と安心を早期に取り戻せるよう努めます。
当院の手外科の特徴
整形外科専門医による
正確な診断・適切な治療
日本整形外科学会の専門医である院長が、これまでに培った経験・知識を活かし、正確な診断と適切な治療を行います。
理学療法士による
手のリハビリテーション
医師と密に連携を取りながら、理学療法士がリハビリテーションを行います。手外科のリハビリでは理学療法・作業療法が中心となります。患者様の手の状態、仕事・スポーツの種類、ライフスタイルに応じて、適切なメニューを提案します。
手の変形性関節症への
体外衝撃波治療に対応
当院では、拡散型体外衝撃波治療を導入し、保険診療内のリハビリテーションの一環として提供しています。この治療法は、65ヵ国以上で使用されており、メジャーリーガー大谷翔平選手を含む多くのアスリートが利用しています。筋肉や腱の炎症による慢性的な痛みに対して高い効果が期待できるため、スポーツ選手だけでなく、長引く痛みに悩む方にも適した治療法です。体外から衝撃波を当て、関節の痛みの軽減、組織の修復促進を図る体外衝撃波治療を導入しています。手の変形性関節症、手根管症候群など、手外科の疾患にも有効です。
手外科で診る主な症状
- 手や手指の怪我、長引く痛み・腫れ
- 手、手指が痛い・しびれる
- 親指の付け根の痛み
- 手首の痛み、可動域の減少
- 指が曲がりにくい、伸ばしにくい
- 細かい作業が難しくなった、不器用になった
- 手に力が入りにくい、よく物を落とす
- 手、手指のできもの
手外科で診る主な疾患
腱鞘炎
手・手指を動かす筋肉と骨をつなぐ「腱」は、「腱鞘」という鞘(さや)状の組織で包まれています。
腱鞘炎とは、手の酷使などを原因として、腱と腱鞘のあいだで炎症が起こっている状態を指します。
ばね指
指の付け根で発生した腱鞘炎です。
症状としては、指が“ばね”のように勢いよく伸びる、伸ばす時の引っかかり感が挙げられます。放置していると、指の関節でこわばりが進みます。
ドケルバン病
「ドケルバン病」とは、手首の親指側で生じる腱鞘炎です。
症状としては、手首の親指側の痛みと腫れが挙げられます。特に、親指を動かした時に痛みが強く出ます。
手根管症候群
手首の骨と靭帯に囲まれた「手根管」内の神経(正中神経)が圧迫される病気です。
主に、手の酷使を原因とします。
症状としては、親指・人差し指・中指・薬指の痛み、しびれが挙げられます。そのほか、親指の付け根の筋肉が痩せる、手がこわばる等の症状が見られることもあります。
肘部管症候群
肘の内側の尺骨神経の損傷によって、小指側のしびれ、手先を使う作業の困難などが生じます。進行すると、小指の付け根の筋肉や手のひらの筋肉の痩せ、小指や薬指の変形、握力低下なども引き起こされます。箸をうまく使えなくなった、物をよく落とすといった症状も見られます。
母指CM関節症
親指の付け根の関節「母指CM関節」で痛み・腫れが生じる病気です。
手の酷使を主な原因とします。進行すると、親指の動きが悪くなる、親指が変形するなどの症状も引き起こされます。
ヘバーデン結節
指の第一関節を指す「DIP関節」の軟骨が擦り減ることで、その関節で腫れ・変形・屈曲などが生じる病気です。人差し指、中指によく見られます。
手の酷使や遺伝の影響、ホルモンバランスの変化などが原因と考えられます。
ブシャール結節
指の第二関節を指す「PIP関節」の軟骨が擦り減ることで、その関節の腫れ・変形・屈曲・痛みなどが生じる病気です。
遺伝の影響、加齢、ホルモンバランスの変化、手の酷使などが原因と考えられます。
ガングリオン
手首の甲側などにできる、ゼリー状の内容物が詰まった良性腫瘍です。発生した部位によっては、手をついた時などに痛みが出ます。手首の手のひら側、親指の付け根、肘などにできることもあります。
はっきりとした原因は分かっていません。
手首の骨折
手首の骨の骨折は、大きく以下の2つに分けられます。
舟状骨骨折
手首に存在する8つの手根骨のうち、親指側に位置する「舟状骨」の骨折です。
スポーツ中の衝突、交通事故などが原因になることが多くなります。
親指の付け根の痛み・腫れを主な症状とします。時間が立つと症状が和らぐ傾向があり、これが受診・治療の遅れ、偽関節の形成の原因となります。
強い衝撃を受け、痛みや腫れがある時には、様子見はせずにお早目にご相談ください。
橈骨遠位端骨折
前腕の2本の骨のうち、「橈骨」が手首付近で折れた状態です。
転倒時に手をつく動作、スポーツ中の衝突などが原因になることが多くなります。
手首の付け根の痛み・腫れといった症状が見られます。
TFCC損傷
前腕にある遠位橈尺関節を支える組織「TFCC(三角線維軟骨複合体)」が損傷した状態です。
野球やテニスなどの動作による手首への過度・繰り返しの負荷を主な原因とします。また、加齢による組織の変性も、損傷のリスクを高めます。
症状としては、手首を動かした時の小指側の痛み、物を持つ・持って回す時の手首の痛みなどが挙げられます。
腱損傷(屈筋腱損傷、伸筋腱損傷)
筋肉の収縮を骨へと伝える腱が損傷した状態を指します。
屈筋腱損傷
指を曲げる屈筋腱の損傷です。
切り傷や刺し傷によって腱が損傷するケースがほとんどを占めます。
腱を損傷した指は曲がらなくなります。神経の損傷がある場合には、しびれを伴います。
伸筋腱損傷
指を伸ばす伸筋腱の損傷です。
切り傷、刺し傷、突き指などが主な原因となります。
腱を損傷した指が伸ばしにくくなります。神経の損傷がある場合には、しびれを伴います。
手外科で取り扱う
その他の疾患
靱帯損傷(PIP側副靱帯・母指MP側副靱帯・PIP掌側板損傷など)、関節リウマチ、腫瘍(内軟骨腫・グロームス腫瘍・腱鞘巨細胞腫)、関節拘縮、デュプュイトラン拘縮、神経損傷、断端神経腫など、幅広く対応しております。
手外科で行う検査
- レントゲン検査
- MRI検査
- 超音波検査
- 知覚検査
- 神経伝導速度検査 など
手外科で行う治療
疾患・症状に応じて、主に以下のような治療を行います。
薬物療法
痛み・炎症を抑える薬の内服や外用を行います。必要に応じて、注射療法を行うこともあります。
リハビリテーション
理学療法・作業療法などを行います。
専門知識を有する理学療法士が、医師の指導のもと、患者様お一人おひとりの手の状態、仕事・スポーツの種類、ライフスタイルに応じたメニューを行っていきます。
PRP療法(PFC-FD™療法)
患者様ご自身の血液中の成長因子を抽出・活性化させた「PRP(多血小板血漿)」を用いた再生療法です。当院では、PRPを凍結乾燥(フリーズドライ)させたPFC-FDを患部へと注入するPFC-FD療法を行っています。豊富な成長因子が組織の修復を促し、痛みを軽減させます。
近年では、メジャーリーガーの大谷翔平選手が受けたことでも話題となり、アスリートの間でも注目を集めています。
手外科では主に、変形性関節症、腱損傷、靭帯損傷に対して再生医療を行います。
※自費診療となります。
体外衝撃波治療(拡散型)
当院では、筋肉や腱の炎症による慢性的な痛みに効果が期待できる拡散型体外衝撃波治療を、保険診療内のリハビリテーションとして提供しています。この治療法は、65ヵ国以上で使用されており、メジャーリーガーの大谷翔平選手を含む多くのアスリートが利用しています。
筋肉や腱の炎症による慢性的な痛みに対して高い効果が期待できるため、スポーツ選手だけでなく、長引く痛みに悩む方にも適した治療法です。
装具療法
骨折や脱臼、腱炎、関節リウマチに対する治療として、患部を安静に保つための装具をご使用いただくことがあります。
超音波骨折治療器
超音波骨折治療器は、低出力パルス超音波を用いて骨折の治癒を促進する医療機器です。骨芽細胞の活性化や血流の改善により修復を助け、特に難治性骨折に有効とされています。スポーツ選手の早期復帰にも活用されており、1日20分の照射で治癒期間の短縮が期待できます。
手術療法
骨折や脱臼、腱断裂、手根管症候群、ガングリオンなどに対して、手術を行うことがあります。
手術が必要な場合は提携する病院をご紹介いたします。